InnoLaboNIIGATA MAGAZINE

地域パートナー企業紹介 #6 緑水工業株式会社

インタビュー

地域パートナー企業紹介 #6 緑水工業株式会社

地域パートナー企業紹介 #6 緑水工業株式会社

【会社概要】
緑水工業株式会社
設立:1959年3月30日
本社:〒940-0004 長岡市高見町3063番地1
従業員数:430名 (2022年4月1日現在)
HP:https://www.ryokusui-k.co.jp/index.html

主な事業
上下水道施設運転維持管理(オペレーション&メンテナンス)
管路施設維持管理
バイオマス事業
太陽光パネル洗浄事業

最近のトピックス
太陽光パネル洗浄事業を展開中
―産業用の太陽光発電パネルを洗浄し、発電効率を上げることで化石燃料の使用削減に貢献している。今後、全国的に需要拡大が期待される事業のひとつ。


【今回インタビューに答えてくれたのは・・・】
志賀勝利さん(写真左)
緑水工業株式会社 経営企画室 室長
上下水道施設の維持管理業務を経て、経営企画室へ。現在はSDGsの取り組み推進や広報としての役割も担いながら、社外との関係性構築にも注力している。

髙橋憲二さん(写真右)
緑水工業株式会社 経営企画室
下水処理場業務から下水道管路の営業、維持管理部を経て、経営企画室へ。維持管理部時代には太陽光パネル洗浄事業を立ち上げた。

(以下、インタビュー形式で掲載)


―御社の事業内容について教えてください。

主に浄水場の維持管理と運転も含んだオペレーション&メンテナンス、下水道管路のメンテナンスを行っています。県内の各下水処理場や浄水場の自治体の施設に間借りをして、そこに事務所を構えて常駐して作業しています。現在の事業所は、北は村上市山北地区から南は上越市大潟区まで、県内で29カ所あります。

―いままでスタートアップと連携したことはありますか?今回、InnoLaboNIIGATAへの参加を通して期待していることは何ですか?

スタートアップとの連携実績は今のところは特にありません。役所の建物の管理をしている関係で、正直なところ当社の一存でどうにもならない部分もあります。例えば、作業の効率化・DX化でセンサーをつけるにしても、役所の了解は得ないといけません。

あとは共創というよりも、当社がスタートアップの方に仕事を依頼するような形の方が多かったですね。今までの登壇だと、ゲーミフィケーションや健康経営は個人的にはとても興味を持ちました。

―浄水場の維持管理だと自治体の許可が必要だけれど、本社機能に関する提案であれば自社で決裁ができるということですか。

そうですね。

―現在感じている課題や今後取り組みたいことについて教えてください。

特にスタートアップと一緒に取り組んでいきたいのは「バイオマス事業」です。当社の事業で生まれる下水汚泥を有効活用するため、自社で肥料にしています。田んぼや畑に使っても全く問題ないのですが、”下水汚泥”というイメージがあまり良くなく、まだまだ普及していません。

近年の化学肥料の高騰を受け、国としても国内にある未利用資源使った肥料の内製化を推進し始めました。今回、汚泥肥料が注目されたことをきっかけに、私たちも投資をして新工場建設に着手しています。いままで粉状だった肥料をペレット状に加工することで散布しやすくなります。

―どんなスタートアップに出会いたいですか?

農業系ベンチャーですね。農業分野も機械設備や農法などの進歩は著しいので、それに向けた新しい業種は出てくると期待しています。当社の既存事業は今後もなくならない事業ではありますが、新しいことにもチャレンジして、若い世代に何かを目指すものを残しておかないとという思いを持っています。

―スタートアップに提供できるアセットにはどんなものがありますか?

当社の汚泥肥料を活用した実証実験の機会を提供できます。化学肥料に比べてコストが安いという利点もあるので、活用方法を模索しています。そのほかには、太陽光パネルの洗浄やバキュームカー、洗浄車、など下水道を掃除したりするような機材などがあります。これらの新しい活用方法も見出せると嬉しいです。

―志賀さん、高橋さんが思い描く「新潟の未来」について教えてください。

(志賀さん)新潟県は日本海では随一の地域だということをもっと明確に打ち出していきたいですよね。他県から見ても新潟はそんなに魅力のない県ではないので、地域を活性化する文化的なものがもっとあってもいいんじゃないかなと思っています。

(髙橋さん)新潟県は製造業が多い地域なので、若い人が働きたくなるIT企業などを誘致するのもひとつだと思います。若手の起業家や経営者がどんどん増えてくれば活気も出てくる。若い人に選ばれるような新潟になっていくには、まずは自社の魅力を高めていかないとですね。

―最後に、スタートアップへのメッセージをお願いします。

何よりもお互いに信頼感を持ってやりたいです。こんな異色な会社、緑水工業の資源を活用して、「こういったことができるんじゃないか」みたいな新しい視点からの提案をしてくれるスタートアップがいたら一番いいなと思います。私たちは資源を毎日見ていて、その良さや違った活用方法に気づきにくいので。既存事業を事業拡大に向けてくれるようなスタートアップと出会えることを願っています。

 

【事務局からひとこと】
ひとつひとつ丁寧にインタビューに答えてくださった志賀さんと高橋さん。私たちの生活を支える事業を通して、「バイオマス」「環境」「循環型社会」をテーマとした新しいチャレンジに取り組む緑水工業への様々な提案を募集しています。事業連携に興味のあるスタートアップはこちらまで!

 

2023年8月8日取材
取材    井上佳純
撮影    星野静香