InnoLaboNIIGATA MAGAZINE

地域パートナー企業紹介 #2 佐渡汽船株式会社

インタビュー

地域パートナー企業紹介 #2 佐渡汽船株式会社

地域パートナー企業紹介 #2 佐渡汽船株式会社


【会社概要】
佐渡汽船株式会社
設立:1913年2月3日
本社:〒952-0014 新潟県佐渡市両津湊353番地
従業員数:770名(連結)[2022年12月31日現在]
HP:https://corporate.sadokisen.co.jp/

主な事業
海運運送事業・道路運送事業・港湾運送事業・旅行業
カーフェリー・ジェットフォイル運航を中心に、商事部(売店・食堂)やレンタカー事業、佐渡島内のホテルや観光施設運営などの観光事業も幅広く展開している。

最近のトピックス
・小木-直江津航路にカーフェリー復活(4月29日)
―当日は「島内での商品販売が直江津への来訪のきっかけになれば」と無印良品直江津から移動販売バス「MUJI to GO」が小木で営業。関西方面や島内の方の車でのカーフェリー利用にも期待を寄せる。


【今回インタビューに答えてくれたのは・・・】
平野 明広さん
佐渡汽船株式会社 情報企画部 部長
2020年2月より現職。2022年3月のみちのりホールディングス参入をきっかけに、会社全体のITシステムや仕組みの見直しを強化している。

(以下、インタビュー形式で掲載)


―いままでスタートアップと連携したことはありますか?今回、InnoLaboNIIGATAへの参加を通して期待していることは何ですか?

過去にスタートアップとの連携はなかったと思います。私自身は情報企画部なので、基本はシステムの話がメインですが、会社の課題はシステムで全て解決できるものでもないと思っています。
InnoLaboNIIGATAで新しい視点や取り組みなどをぜひ紹介していただきたいですし、例えばIT等を活用して業務を効率化することで、お客様に還元するものが作れたらいいなと考えています。

―現在感じている課題や今後取り組みたいことについて教えてください。

なかなかリピーターが定着しないという部分は変えていきたいなと。例えば、航空会社とかの他業種のノウハウはいろいろ取り込んでいきたいですね。今ちょうど新システムの開始に向けて取り組みを始めているので、そういう別な視点での取り組みをいろいろできたらなと思っています。

―佐渡といえば、世界遺産登録もまもなくかと思いますが、御社と観光の関わりも大きいですか?

このゴールデンウィークからかなり観光客は増えてきてますし、海外から来る方も増えてくると思います。6月末*にはトキエアさんが札幌丘珠空港と新潟空港を結ぶ路線の就航を予定していますので、北海道から新潟に来るときに佐渡の観光を取り込んでもらうとか、逆に佐渡の方が北海道に行くとか、双方向で船をぜひ利用してほしいです。

ただ、あまり一度に人が来ても受け入れる側の体制が整ってないというオーバーツーリズムの状況も見えています。佐渡としての課題を、佐渡汽船としても考えていきたいですね。
(*記事公開時点で就航予定が8月に延期されている)

―これから夏にかけて、佐渡に行くには最高のシーズンですね。

佐渡汽船としては特に夏冬のお客様の利用頻度の差が課題です。夏だけではなくて、どうしたら冬にもフェリーを使ってもらえるのかを考えると、観光だけでは難しいかなと感じてはいます。

佐渡に渡りたい人の「こんな景色を見たい、こんなものが食べたい、こんな人に会いたい」という想いを実現するためにフェリー会社として船を運航するだけではなくて、佐渡と島外を結ぶ事業であれば、それは佐渡汽船としていろいろ取り組んでいくと思います。

―確かに、「フェリー」にとらわれすぎなくてもいいということですね。

はい、その通りです。

―スタートアップに提供できるアセットにはどんなものがありますか?

船内およびターミナルを使ったイベントや調査などにご協力できると思います。また、佐渡汽船の会員が約8万人と公式LINEアカウントの会員も1万2000人程いますので、アンケートや動向調査も可能です。船がどのように利用されているかといった統計データも提供できるので、ご相談ください。

―平野さんが思い描く「新潟の未来」について教えてください。

今は、あまり場所に縛られないで暮らせるというのが増えてきたので、いろんな人の働く選択肢に新潟が入ってきてほしいと思います。それは佐渡に行っても変わらないので、ぜひいろんな人に佐渡の魅力を知ってもらって、かかわってもらえるといいなと思っています。
最近、佐渡にIT企業を集めるという話もあるので、本当にそれができたら面白いなと期待しています。

―最後に、スタートアップへのメッセージをお願いします。

「佐渡汽船」だけではなく、ぜひ「佐渡島」という観点を念頭に置いていただきたいです。「こんなの使えないのでは?」と思うこともあるかもしれないですが、聞いてみると意外とそうではないことも。フェリーに限らず、佐渡汽船として何か新しく取り組めることを見出せればいいなと思っているので、遠慮せずにいろんな発想で提案していただけると嬉しいです。

 

【事務局からひとこと】
インタビュー企画第1弾でドキドキでしたが、平野さんの優しい語り口にあっという間に時間が過ぎてしまいました。世界遺産登録目前、新規LCCの就航と県内でも一際熱い佐渡の魅力を多方面の方に感じてほしいなと思いました。
「会いたい人と会いたい人を結ぶ」佐渡汽船に、フェリー運航に限らない様々な提案をしていただけると嬉しいです。事業連携に興味のあるスタートアップはこちらまで!

2023年5月31日取材
取材    井上佳純
撮影    星野静香