InnoLaboNIIGATA MAGAZINE

地域パートナー企業紹介 #1 岩塚製菓株式会社

インタビュー

地域パートナー企業紹介 #1 岩塚製菓株式会社

地域パートナー企業紹介 #1 岩塚製菓株式会社


【会社概要】
岩塚製菓株式会社
設立:1954年4月27日
本社:〒949-5414 新潟県長岡市飯塚2958番地
従業員数:905名(2023年3月期・連結)
売上高:203億86百万円(2023年3月期・連結)
株式:東京証券取引所スタンダード市場に上場
HP:https://www.iwatsukaseika.co.jp/

主な事業
米菓の製造並びに販売

最近のトピックス
・2021年に新工場「BEIKA Lab」が誕生!
―米菓から「BEIKA」へ。世界市場も見据え、従来の枠を超えた新しいものを生み出していこうという強い信念とともに、国産米100%にこだわった商品開発を推進していく。


【今回インタビューに答えてくれたのは・・・】
浅川 慎一さん
岩塚製菓株式会社 執行役員 マーケティング副本部長
入社以来、商品開発・営業・製造現場と岩塚製菓の主要部署を担当。現在はマーケティング本部でBEIKA Labでの事業を牽引している。

(以下、インタビュー形式で掲載)


―いままでスタートアップと連携したことはありますか?今回、InnoLaboNIIGATAへの参加を通して期待していることは何ですか?

スタートアップの方とのコラボレーションは商品開発というのも含めて、今までのところないですね。弊社の事業にはさまざまな課題がありますので、それらをどの様に解決するかについてスタートアップのみなさんと一緒に考えていきたいです。

―現在感じている課題や今後取り組みたいことについて教えてください。

例えば、ロスの問題や製造過程で排出しているものの問題です。SDGsを達成するには、もっと具体的な動きをしていかなければいけないという漠然とした課題があります。おせんべいを焼くときには必ず火を使うので、二酸化炭素の排出を「カーボンオフセット」という考え方の中で対応していかなければならないですね。

また、製造過程で出る廃棄してしまうものの中には、B級品として扱えるものからこのようにカスになってしまうものまで様々あります。それに加えて、先ほどの二酸化炭素や排熱の問題も、改めてSDGsの観点から活用することができないかと考えています。

―新しくできた「BEIKA Lab」ではそういった研究にも取り組まれるということですか?

長岡市ではバイオエコノミーコンソーシアムが立ち上がっていて、バイオの力を使っていろんなことを展開していこうという話があるんですね。例えば、洗米水に含まれる非常に良い要素も何か活用方法があるだろうということで、研究機関からもお力添えいただきながら進めていこうと思っています。

―実証実験の機会があったり、そこで得られたデータが場合によっては提供できるかもしれないということですね。

そうですね。1つの形になればいいなと思います。そのほかにも、世界市場への展開や自社の認知度を高める取り組みも強化していきたいです。岩塚製菓のことをもっと好きになっていただけるように、去年からソーシャルコミュニケーション室という専門部署を立ち上げました。私たちの様々な取り組みをつなげて、うまく表現していくのも課題のひとつですね。

―このほかに、スタートアップと取り組みたいことはありますか?

ニッチだけれども、コアなファンがたくさんいるような分野とのコラボレーションは実現性が高いと思います。例えば、登山愛好家に向けた専門商品の開発をして、それを販売する専門のプラットフォームを持っているようなスタートアップにジョイントするのはとても楽しいだろうなと思います。

―浅川さんが思い描く「新潟の未来」について教えてください。

もっと若者が帰ってきて、または新しく入ってきて、新潟が若くて元気な街になる、そういう未来を想像したいですよね。そういう意味でも県外からスタートアップを呼ぶというのは大賛成です。そのためには、私たちみたいな昔から地域にお世話になっているところがちゃんと魅力発信を強化していくというのは大きな課題だと思います。

―最後に、スタートアップへのメッセージをお願いします。

自分(スタートアップの方)の強い「思い」から生まれたもの、良い意味でクレイジーな部分をすごく期待しています。その「思い」を知れることがスタートアップとの距離を近づけるし、どういった形でジョイントできるだろうか、または私たちが助けてもらいたいなということを考えるきっかけになると思うんですね。絶対にその「思い」には価値がある。彼らの持っている優れたサービスを提供できる場所として、我々が出口役に回るというのが本来のスタンスだと認識しています。

 

【事務局からひとこと】
原材料から加工技術まで一貫した質の高さにこだわっていることをわかりやすく、そして熱く伝えてくれた浅川さん。学生との商品開発や被災地支援なども積極的に行なっている「地域と人」に根差した岩塚製菓への様々な提案を募集しています。事業連携に興味のあるスタートアップはこちらまで!

2023年6月7日取材
取材    井上佳純
撮影    星野静香