InnoLaboNIIGATA MAGAZINE

地域パートナー企業紹介 #8 東日本旅客鉄道株式会社 新潟支社

インタビュー

地域パートナー企業紹介 #8 東日本旅客鉄道株式会社 新潟支社

新潟地域パートナー企業紹介 #8 東日本旅客鉄道株式会社 新潟支社

【会社概要】
東日本旅客鉄道株式会社 新潟支社
設立:1987年4月1日
本社:〒東京都渋谷区代々木二丁目2番2号(本社)
〒950-0086新潟市中央区花園1 丁目1 番5 号(新潟支社)
従業員数: 46,051人(単体)
売上高: 2,405,538百万円(連結)
HP:https://www.jreast.co.jp/

主な事業
旅客鉄道事業、貨物鉄道事業ほか

最近のトピックス
2023年2月、JRE Local Hub 燕三条をオープン
―JR燕三条駅構内に地方創生型ワークスペースを開業。地域のスタートアップと連携することで、地域特有の課題やニーズに応じた「新しい駅の利活用」を目指す。


【今回インタビューに答えてくれたのは・・・】
樋口正賢さん
東日本旅客鉄道株式会社 新潟支社 地域共創部マーケット創造ユニット
入社以来、生活サービス事業で地方創生や経営企画に携わる。昨年7月から新潟支社に異動し、自治体や地域企業と一体となった地域づくりに取り組んでいる。

(以下、インタビュー形式で掲載)


―御社の事業内容について教えてください。

従来の鉄道事業のみならず生活サービス事業等の地方創生をミッションに加えて、その地域の特性を生かした伴走型の地域づくりに取り組んでいます。自治体や地域のキープレイヤーと一体となって、積極的に地方創生を推進しています。

―いままでスタートアップと連携したことはありますか?今回、InnoLaboNIIGATAへの参加を通して期待していることは何ですか?

「JRE Local Hub燕三条」を地域のスタートアップ企業である株式会社ドッツアンドラインズと連携しながら運営しています。「地域をつなぐ、世代をつなぐ」をコンセプトに掲げ、主に5つの事業(ものづくりコンシェルジュ事業、地域情報の発信、シェアオフィス、空間自在ワークプレイス、人材育成プログラム)を通じた地域課題の解決、地方創生に取り組んでいます。

地元の職人たちが協力してつくりあげた工場の街らしいスペース

燕三条エリアは金属加工だけでなく、木工やプラスチックなどのさまざまな加工技術が集積している街です。ただ、技能が細分化しすぎているがゆえに、今まではビジネスマッチングがなかなか成立していなかったという課題がありました。そこで地域のキープレイヤーである事業者さんに「ものづくりコンシェルジュ事業」の運営をお願いしました。もともとは無人駅である帯織駅の活用で連携したことがきっかけで、現在では新製品開発やイベントといったコラボレーションに繋がっています。

InnoLaboNIIGATAを通じて、今後も意欲あるスタートアップと関わっていきたいという思いがあります。

びゅうプラザの跡地に開設された「燕三条こうばの窓口」

―今後、スタートアップと一緒に特に注力して取り組んでいきたいことは何ですか?

アセットとして持っている無人駅を活用してほしいのももちろんですが、それも数ある手段のうちの一つだと思っています。

以前登壇された企業からは、「はこビュン」という荷物輸送の事業に着目した提案をいただきました。そのような私たちの持っているサービスや、スタートアップ企業の持っているサービスをうまく組み合わせて、新たな事業や収益・利益が生まれるような仕掛けを続けていきたいですね。

無人駅に関することももちろんやりますし、それ以外のところも含めてやっていきたいと考えています。

―スタートアップと連携する上で、大切にしていることは何ですか?

情報をしっかりと開示することですね。「私たちができることはこういうことで、ここが足りないです」みたいなところをしっかりと開示すると、相手方の企業も「自分たちはここをうまく補填できますよ」という形ができますよね。

スタートアップ企業も同じだと思いますので、「自分たちの得意分野はここで、苦手分野はここだ」と言っていただければ、私たちが「このリソースを使えばこういうことができます」というふうに言いやすいと思います。

そういった意味で、先ほどの燕三条の事例では本音でいくらでも話せるような仲になっていると思うので、そこを目指していきたいですね。お互いが高めあっていく、しっかりとお互いの良さを持ち出しながら次のステージに向かっていくということを期待しています。

―樋口さんが思い描く「新潟の未来」について教えてください。

新潟はいい意味でしっかりと経済が回っています。回っているだけではなく、課題も少なからずあって、一つアクションを起こせば課題解決につながる。しっかりと経済が回っている中で課題があるというのは、地方創生担当からするとやりがいがあります。

新潟に限らず、「地域が元気になる」というのが大前提ですね。新潟を真似していろんなところに波及する、先頭に立つようなことをやれるだけの素地はあると思います。新潟でうまくいけば他でもうまくいくはずなので、そういうところを見せる手本になれるようにやっていきたいですね。

―最後に、スタートアップへのメッセージをお願いします。

私たちは「意欲ある事業者」と巡り合いたいというのが一番で、とにかく地域を良くしたいと思っています。たとえ私たち担当が変わったとしても、連携する事業者さんの強いマインドは変わらないはずなので、ある意味私たちを引っ張ってくれるような、そんな存在の方々と出会えるとありがたいなと思います

一緒に地方創生を目指し、地域を盛り上げてくれる熱い想いを持った方と一緒に仕事をしたいですね。

 

【事務局からひとこと】
「奥ゆかしい県民性の中にも、熱い想いを持って行動する人たちが多いことに驚きました」と新潟のポテンシャルの高さを語ってくれた樋口さん。地域とともに、駅を「暮らしのプラットフォーム」へ変革していくJR東日本新潟支社への様々な提案を募集しています。事業連携に興味のあるスタートアップはこちらまで!

2023年9月21日取材
取材    井上佳純
撮影    星野静香