InnoLaboNIIGATA MAGAZINE

地域パートナー企業紹介 #4 株式会社丸互

インタビュー

地域パートナー企業紹介 #4 株式会社丸互

地域パートナー企業紹介 #4 株式会社丸互

【会社概要】
株式会社丸互
設立:1953年11月
本社:〒942-0061 上越市春日新田4丁目1番1号
従業員数:161名(男性97名 / 女性64名) ※2023年5月時点
売上高:31億円 ※2022年度実績
HP:https://www.marugo.com/

主な事業
木材加工、金属加工、情報技術、プラスチック射出成形、建築土木資材販売の5つの事業を基幹とした複合企業。現在の主力は情報技術事業と樹脂成形事業。

最近のトピックス
・2023年1月、上越5e協議会(https://joetsu5e.jp/)が発足
―IT利活用による交流人口の拡大と5つの分野(事業・スポーツ・学習・観光・健康)のDX化や新規導入を推進し、若者が希望するような企業の誘致や起業創業の促進を図る。


【今回インタビューに答えてくれたのは・・・】
半田和之さん(写真右)
株式会社丸互 常務取締役 / 上越5e協議会 事務局長

前川秀輔さん(写真左)
株式会社丸互 取締役 社長室長

(以下、インタビュー形式で掲載)


―御社の事業について教えてください。

これまで12の事業を起こして、今は4部門5つの事業(木材加工、金属加工、情報技術、プラスチック射出成形、建築土木資材販売)を展開しています。地域の皆さんからは「木材と鉄の会社」だと思われているのですが、実態はITとプラスチックの会社に様変わりをしています。

2年前から始めた13番目の事業がJM-DAWNで展開をしている「ローカル5Gの通信事業」です。ある意味、スタートアップのようにいろんなことにチャレンジしてきたという背景から、起業家精神を備えた会社だと思います。

―今回、InnoLaboNIIGATAへの参加を通して期待していることは何ですか?

今年1月に「上越5e協議会」を立ち上げ、当社はそのコンソーシアム代表を務めています。5つのe(e-business、e-sports、e-learning、e-sightseeing、e-healthcare)を地域の活性化に結びつけていく上で、私たちと一緒にやってくれる仲間、パートナーをどんどん広げていきたいですね。その拠点となるJM-DAWNもコロナ禍でスタートしましたが、オフィス契約や法人契約も徐々に増えてきています。

地域を活性化するには地域企業が労力も含めて、そこにコストをかけながら自走式に走っていくのが本来のあるべき姿だと思っています。「もっと地域を巻き込んでいこう」ということで、産官学金から個人も含めた体制が整ってきました。

―5つのeの中で特に注力している分野は何ですか?

基本全てではありますが、e-sportsは市場としてもさらに伸びてくると思います。関根学園高等学校では部活動としてe-sportsに取り組んでいて、プロも使用するゲーミングPCやチェアで日々練習をしています。さらに月に1回、学生たちが高齢者施設に行って、お年寄りと一緒にゲームをしながら交流しているんですね。e-sportsをやりながら地域の貢献活動をしているのは全国でも珍しいです。

―学生もお年寄りの方もとても楽しそうですね。

その効果として、介護施設の中ではe-sports大会が始まっているんです。e-sportsは国も性別も年齢も乗り越えていける、フリーな世界でのコミュニケーションツールとしての可能性があります。さらに、e-sportsアカデミーやプロリーグを作ったり、上越から世界で活躍できるような人が出てくると面白いなと思います。

―現在感じている課題や今後取り組みたいことについて教えてください。

上越市はものづくりの街で、製造業が非常に多い地域です。本来、リクルート的には工業高校出身の彼らがここに残って根付いてくれるのが理想ですが、上越に残る比率がここ10年近くは15%程です。市外や県外に出て、ほとんど戻ってきていません。中小企業の人材確保はこれからますます難しくなっていくと思います。

コロナ禍とローカル5Gをきっかけに、自然豊かな上越で仕事をするのもいいなと思ってもらい、さまざまな企業が集まる拠点にしたいです。それによって、若い人たちの雇用を生み出すとか、起業創業していくという空気感を作っていきたいですね。

―スタートアップに提供できるアセットにはどんなものがありますか?

北信越を網羅するときの拠点として、上越は非常に利便性の高い立地にあります。JM-DAWNは起業創業の際の登記やコワーキング利用も可能です。また、「5e」のそれぞれを実証し、ビジネスとして実証から実装にしていく機会を提供できます。実際にe-businessやものづくりの分野では、ローカル5Gを使った新潟ならではの新しい遠隔操作を開発する動きが始まっています。若い人たちがやっているので絶対に自信になりますよ。それが地域の技術になれば売りになるし、万が一商品として発売できればとんでもないことになる可能性も秘めています。

―上越がこんなに熱いなんて知りませんでした!

アイデアがたくさん出てきたので、いまはそれを一つ一つ形にしていこうというワクワク感でいっぱいです。私たちはこれを“上越の逆襲”と呼んでいます(笑)そこに「僕も私も一緒にやりたいです」という人がもっと出てきてくれればいいなと思います。

―半田さんが思い描く「新潟の未来」について教えてください。

やっぱり若い人に期待ですよね。上越のJM-DAWNの他にも、新潟市のNINNOや長岡市のミライエ長岡といった各拠点が繋がっていくことで、若い人たちが挑戦できる場が増えていくといいなと思います。この上越5e協議会にも若い人たちにどんどん入ってもらいたいです。食べ物が美味しくて、海や山がたくさんあってすごく魅力的な場所なので、情報発信も含め、もうちょっと新潟全体でガッツを見せていかないとですね。

―最後に、スタートアップへのメッセージをお願いします。

とにかく事業を長く継続してほしいと思います。せっかくなので、計画性を持って将来を見据えた動きをどんどんしてほしいなと。そして、ぜひ新潟本社をたくさん作ってください。最近は、上越出身ではない方もここに拠点を構える流れがどんどん出てきているのでいいことだなと思っています。

 

【事務局からひとこと】
「上越にはなんでもある!」と地元愛と情熱に溢れている半田さんと前川さん。ITを通して「上越から地方全体を盛り上げていく」丸互への様々な提案を募集しています。事業連携に興味のあるスタートアップはこちらまで!

2023年7月7日取材
取材    井上佳純
撮影    星野静香