地域パートナー企業紹介 #9 株式会社ブルボン
<目次>
地域パートナー企業紹介 #9 株式会社ブルボン
【会社概要】
株式会社ブルボン
設立:1924年11月20日
本社:〒945−8611 新潟県柏崎市駅前1丁目3番1号
従業員数:約5,000名 ※グループ計、臨時・パートを含む (2023年3月末時点)
売上高:97,383百万円(2023年3月期・連結)
株式:東京証券取引所スタンダード市場
HP:https://www.bourbon.co.jp/
主な事業
菓子、飲料、食品の開発、製造、販売
【今回インタビューに答えてくれたのは・・・】
泉 哲也さん(写真右)
株式会社ブルボン デジタル推進部 部長代理
岡田 正賀さん(写真左)
株式会社ブルボン デジタル推進部 DX推進課 課長代理
(以下、インタビュー形式で掲載)
―御社の事業内容について教えてください。
ビスケットを中心として、チョコレート、米菓、キャンデーなどの幅広い分野の菓子類を製造しているほか、ミネラルウォーターやチルド商品、冷菓、生活習慣病予防のための機能性食品などの開発も行っています。そのほかには日本製素材を使用したマスクも製造しており、自動販売機や通信販売で販売しています。
当社は、関東大震災で日本海側へのお菓子の流通が一時的に止まったことをきっかけに、柏崎で菓子の製造工場を創業しました。2024年でちょうど100周年を迎えますが、「お客様のお役に立つ会社でありつづける」ということを大事にしています。持続可能な社会の構築に貢献するためにも、これからもお客様、そして社会の役に立つことを考えながら事業を進めていきたいと考えています。
―直近で一番新しい事業や取り組みについて教えてください。
ひとつは経営情報基盤に大きな投資をして、来年度からERPシステムを導入します。新しい経営基盤を強固にするため、情報を統一する基盤づくりを今まさしく私たちのデジタル推進部で進めています。
もうひとつは、メタバースに関する事業です。新潟市のDXプラットフォームに参加したことをきっかけに、アバターの話を聞いている中で「これをうちでもやってみたらどうだろう」という話になり取り組み始めました。当時Facebook社がメタ社に変わったことで、世間的にも「メタバース」の注目度が高まったので、何ができるかというところからスタートして現在に至ります。
参考:https://www.bourbon.co.jp/bourbon-metaverse/
今はまだコーポレートや特定のブランドのブランディングという意味合いで使っていることが多いですが、将来的には事業化・収益化をしたいと考えています。実際、メタバース上で自社の商品がコミュニケーションのきっかけになったこともあり、そのきっかけをどう伸ばしていけるかというのが次のステップですね。現実の世界や店舗と繋げるのか、どんな可能性があるかを探しているところです。
―いままでスタートアップと連携したことはありますか?今回、InnoLaboNIIGATAへの参加を通して期待していることは何ですか?
ひとつは受発注業務効率化を目的に、「FAX注文の自動データ化」をスタートアップ企業と連携して実施しました。以前は取引先から受け取る注文書はFAXでやり取りするのが一般的で、それを人の手でデータ化していました。そこでAI-OCRを活用した業務の効率化に取り組みました。
参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000028252.html
もうひとつは、すでに終えていますが実証実験として「自動販売機の配送ルートの最適化」を行いました。AIで「どの車両が、どのプチモール(自動販売機)を、どの順に回るのか」という配送ルートを最適化し、担当者に提案するという実験を実施しました。
参考:https://onl.la/4cyS7YU
InnoLaboNIIGATAには、新しいことやさまざまな発想を求めて参加しています。
―今後、スタートアップと一緒に特に注力して取り組んでいきたいことは何ですか?
前述のメタバースのほかに、最近だと需要予測に関するアイディアやヒントが得られるといいなと模索しています。従来から、需要予測は勘と経験に頼っている部分が多々あるので、今まで蓄積されたデータを活用して予測を出すというようなことができないかなと。非常に難しい分野だと思いますが、スタートアップの方と一緒に何かできたらと考えています。
―スタートアップに提供できるアセットにはどんなものがありますか?
例えば、販路ノウハウの提供がありますが、お互いにメリットがあるといいですね。
「こういった製品・素材を使って、こういうものができます」といった製品開発に結びつく提案があると、それを一緒に販路に乗せるということも考えられます。当社内の開発メンバーもいますが、私たちが考えもつかなかったようなアイディアや提案から、付加価値の高い差別化された商品が生まれると嬉しいです。
―岡田さんが思い描く「新潟の未来」について教えてください。
「新潟といえば米どころ」と言いつつ、耕す人が少なくなってきていますよね。そういった地域の課題をIT、デジタルの力でより良くしていけるといいなと思います。
例えば、メタバースで地域や街を題材にすると、街単体よりもできることが増え交流人口を増やすきっかけになり得ると思っています。その地域や街を知る機会が増えることで住みたいと思う人が増え、実際に人口増に繋がればいいですね。メタバース単体あるいは街単体ではなく、リアルな街と組み合わせてまちづくりを進められたら、盛り上がると思います。
―最後に、スタートアップへのメッセージをお願いします。
当社は100年の歴史の中で、内製でいろいろ作り上げるDNAを培ってきました。これからも社員一人ひとりのスキルを上げて内製を高めていきたいと考えていますが、スタートアップ企業の方々が持つ高度なスキルが必要な場面も出てきます。そういう時にスタートアップの方とお互いに切磋琢磨しながら、私たちも頑張ってやっていきたいと考えています。当然、最初は完璧ではなくてもいいので、いろいろなアイディアを出すところから、ともに走り始めたいですね。自由で柔軟な発想を持つイノベーティブな皆様方と、持続可能な未来社会の構築を目指していきたいと考えています。
【事務局からひとこと】
柏崎エリアのみならず、新潟を代表する長寿企業でありながら、新しい挑戦に積極的に取り組む泉さんと岡田さん。柔軟な発想で「社会に役立つことは何か」を体現し続けるブルボンへの様々な提案を募集しています。事業連携に興味のあるスタートアップはこちらまで!
2023年10月2日取材
取材 井上佳純
撮影 星野静香