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InnoLaboNIIGATA MAGAZINE

地域パートナー企業紹介 #10 株式会社ウオロク

地域企業紹介

地域パートナー企業紹介 #10 株式会社ウオロク

地域パートナー企業紹介 #10 株式会社ウオロク

【会社概要】
株式会社ウオロク(UOROKU CO. ,LTD)
設立:1962年11月(スーパーマーケット開業)
本社:〒950-0913 新潟県新潟市中央区鐙二丁目14番13号
従業員数:3,816名(パートナー・アルバイト2,961名/8H換算)
売上高:84,485百万円(2023年3月期)
※2022年3月期決算より収益認識会計基準を適用。
HP:https://www.uoroku.co.jp/

主な事業
食品全般、日用雑貨、衣料品、医薬品、酒類、住関連品の販売

最近のトピックス
2022年7月、生鮮デリカセンターを新設。
https://www.uoroku.co.jp/service/myuoroku/

【今回インタビューに答えてくれたのは・・・】
葛見 久賢 さん
株式会社ウオロクホールディングス 専務取締役 商品本部長
商品の買い付けや開発、生鮮デリカセンター事業など、商品に関わる全般のマネジメントを行う。商品がお店に着いた時、お客様が食卓で食べる時に100点満点の状態になるように日々追求している。

(以下、インタビュー形式で掲載)


―御社の事業内容について教えてください。

1962年にスーパーマーケットに転身しました。その前は江戸時代から続く鮮魚店を営んでおりまして、店主は六右ェ門という方でした。魚屋の六右ェ門さんなので、魚と六をとって漢字で「魚六」。1982年に「ウオロク」に社名を変更しました。現在は新潟県内44店舗のスーパーと衣料品の店を1店舗運営しています。

元々、魚屋なのでお客様には「ウオロクは魚が良い」というイメージを持ってもらえていると感じます。また、惣菜にはかなり自信があります。2022年に新設した「生鮮デリカセンター」で惣菜や鮮魚、青果、精肉を調理・加工して、すぐ隣にある新潟総合物流センターから全店に配送されるという仕組みになっています。製造の効率化のみならず、自社で作ることによって原料から全部コントロールできるので、商品の細かいクオリティにもこだわることができています。

―直近で一番新しい事業や取り組みについて教えてください。

元々、下越の新発田市からスタートした会社で、下越・新潟・中越の展開が中心でしたが、昨年10月には上越に初出店をしました。ありがたいことにとても好調ですし、今後シェアを拡大していこうと思います。

あとは、他社と連携して物流の効率化を進めています。卸先もメーカーも、ウオロクの在庫状況をオープンに見られるようにして、減便につなげようという物流改善の取り組みを実証中です。「物流2024年問題」に少しでも対応できればという思いがあります。今のところ、物流の業務委託費などのコストが高くなってきていることは確かですが、近い将来にはトラックそのものが思うように手配できなくなるという可能性も見据えて、新しいことに着手しています。現在はまだ効果検証の段階です。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000103807.html

―今回、InnoLaboNIIGATAへの参加を通して期待していることは何ですか?

私たちが既存の事業をやり続けても出会えない企業とのマッチングや新しい収益源を作ることを期待しています。また、バックオフィス、物流、店舗オペレーションの改善など、ウオロク単体では解決しきれない課題をクリアするヒントを得られたらと思います。実証実験としてアセットを使ってもらって終わりではなく、「実際にこういう数字が動いたよね」というような結果が残るもの、そしてそれをブラッシュアップして継続していく取り組みを進めていきたいですね。

―今後、スタートアップと一緒に特に注力して取り組んでいきたいことは何ですか?

データ分析関連はまだまだ弊社の弱い部分でもあるので、顧客分析や新規出店の際の地域の商圏分析をスタートアップの方とスピード感を持って取り組みたいです。なるべく近い将来に実績が出そうな技術を取り入れた連携ができればいいかなと思います。

バックオフィス関連ではまだまだアナログなところが多いので、DXを含めた業務改善に期待します。ペーパーレスがDXだとは思ってないですが、デジタル化を推進していきたいですね。現状を整理した上で「そもそもこれはデジタル化じゃない方がいいですよ」という話もありだと思います。

―スタートアップに提供できるアセットにはどんなものがありますか?

県内44店舗での実証実験、食品に関係するBtoCの実験はご協力できます。あとは物流網が県内全体にありますので、大いに使っていただけるかなと思います。

ただ、「スタートアップの方の作った商品を売ってください」だけだと単発になってしまうので、取り組みとして継続的に商品開発をしていくといった形が望ましいですね。商品の企画・開発に関して言うと、仕入れのルートはたくさんあるので、例えば「大手メーカーさんを一緒に呼んでアドバイスをもらおう」といった支援、アシストもできるかなと思います。

―商品開発の際に「こういうジャンルだったら一緒に商品開発してみたいな」というのはありますか?

一番求めるとしたら「地元の何かを使ったもの」ですね。地場の原料を使用したり、新潟に製造の現場があったりなど、新潟に根差した商品に魅力を感じます。新潟の人は地元が大好きなところがあると思うので、最初の大きな売り上げを作るという意味では県産(地場のもの)がいいのではないかと考えています。私たちもその方が売りやすいですし、特徴を謳いやすい。別の見方として、地場のものではなくても「ナショナルブランドの商品とこういうところが違います」と根拠だって明確に言えるものがいいですね。

―葛見さんが思い描く「新潟の未来」について教えてください。

新潟を魅力的にというふわっとした概念的な言い方ではなくて、新潟は”経済的に”魅力にならなきゃいけないと思っています。新潟でやれば商売になるとか、新潟にこういうものがあるから商売の種になるとか、そういう「人が集まるきっかけ」がないといけないかなと。

今までの事業で着実に伸びてきた企業が新しいことにチャレンジして、結果としてその会社が潤うのは当然必要なことですが、新潟の外の人が新潟にお金を出したいと思えるような取り組みも必要だと思います。地域を消滅させないためにも、県内各地にハブとなるような拠点やコンテンツを持続的に設けるなど、もっと経済的に魅力を増す必要があると思います。

―最後に、スタートアップへのメッセージをお願いします。

“やった感”ではなくて実績を一緒に作りましょう、やると決めたからには実績を作れるまでしっかりお付き合いする、一緒に連携していきたいと思っています。こういう実績が欲しいなという目標を最初に一緒に作って、それにどれだけ近づけたかとか、定量的な目標を持って一緒にやりたいですね。

例えば、スタートアップの方が思っている範疇で止まってしまうのではなく、「もう一声、もう一声」とプラスアルファの実績が出せるようにやっていくべきだと考えています。その方がお互いに必死感が出ますし。ただ、ダメだったときはダメだったときの反省会もきちんとやらなきゃいけないと思いますし、それをやるためにも定量的な目標を立て、予実管理をしながら次のステップについてのお話ができるといいですね。

 

【事務局からひとこと】
「現場の声も業務改善に繋げる重要な要素」と語る葛見さん。今回のインタビューを通して、商品や素材に対する飽くなき探究心とプライドを感じました。オープンマインドを持って「新潟の食を支える」ウオロクへの様々な提案を募集しています。事業連携に興味のあるスタートアップはこちらまで!

2024年6月6日取材
取材・編集 井上佳純
撮影    笹田倫子