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InnoLaboNIIGATA MAGAZINE

地域パートナー企業紹介 #14 学校法人 新潟青陵学園

地域企業紹介

地域パートナー企業紹介 #14 学校法人 新潟青陵学園

地域パートナー企業紹介 #14 学校法人 新潟青陵学園

【法人概要】
学校法人 新潟青陵学園
設立:1900年4月
所在地:〒951-8121 新潟市中央区水道町1丁目5939
学生数:大学1059人、短大569人、高校801人、こども園96人(2024年5月1日現在)
HP:https://niigataseiryo.jp/

主な事業
大学、短期大学、高等学校、認定こども園の運営

最近のトピックス
2023年、「青陵将来ビジョン」を刷新。「学ぶ場所」から、「社会課題を解決する場所」への変革を進める。
https://niigataseiryo.jp/vision

【今回インタビューに答えてくれたのは・・・】
大場純慈さん(写真左)
学校法人新潟青陵学園 事務局 企画課 課長
一昨年策定した「2040将来ビジョン」の実現に向けて、学園の中期計画の策定、通信制課程設置の支援、学園広報、ソーシャルイノベーションセンター設置、財務改革等複数の部署横断プロジェクトに携わる。

小林草太さん(写真右)
学校法人新潟青陵学園 事務局 企画課
これまで広報、公開講座、学生の課外活動の支援、研究支援等に携わり、現在は「2040将来ビジョン」の実現に向けた複数の改革チームの支援を主に行っている。人事制度改革チームでは、中心メンバーとしてプロジェクトに携わる。

(以下、インタビュー形式で掲載)


―貴学の事業内容について教えてください。

学校法人新潟青陵学園は新潟青陵大学と新潟青陵大学短期大学部、新潟青陵高等学校、認定こども園新潟青陵幼稚園を運営しております。

大学は看護、社会福祉、臨床心理、子ども発達の4つの学科があります。短期大学部は幼児教育学科と人間総合学科というさまざまな分野を組み合わせて自由に学べる学科(ビジネス、ファッション、フード、観光ブライダル、英語など)があります。
高校は新しい3つのコースを設立し、“人間らしさ・人間愛”を重視した、「ヒューマニティスクール」を目指していきます。認定こども園は幼稚園型のこども園を運営しております。1900年の設立以来、社会や地域のニーズに合わせて提供する学びを変化させてきました。

―直近で一番新しい事業や取り組みについて教えてください。

2025年の「ソーシャルイノベーションセンター」の立ち上げに向けて、検討チームが準備を進めております。今までは、教育機関として地元に求められる人材を養成して輩出することを通して、地域に貢献してきました。ただ、これからの少子化時代においては、学園自体を単なる教育機関から社会課題解決機関に変革していくことを目指し、地域のハブ機能を持った機関の立ち上げに至りました。

今までの地域貢献の形をさらに発展させ、学園だけでは解決できない課題を地元企業や地方自治体と一緒になって解決していくための「出会いの場」、その課題解決を担う人材を育成していく「育ちの場」となることを目指しています。

―「ソーシャルイノベーションセンター」では具体的にどんなことを行うのですか?

本学の教員の研究を企業や地方自治体の方たちとマッチングすることで、社会的なインパクトが起こせると見込めるものをプロジェクト化していったり、それを担うソーシャルイノベーターの育成を行ったりします。

15年ほど前から、社会連携センターという機関で教育・研究・社会貢献に取り組んできました。昨年から始まった「SolBlue project」という課題解決型プロジェクトでは、学生が地域企業や地方自治体と一緒に課題解決に携わる活動(例:地域文化の継承や企業・商店のPRなど)を行なっています。

課題としては、各活動が単発で終わってしまい、学生と企業の双方にとって効果がわかりにくい部分がありました。ソーシャルイノベーションセンターでは、そういったプロジェクトの中から社会的インパクトを生み出せるものを見極め、継続的に育てていくことを考えています。

―いままでスタートアップと連携したことはありますか?今回、InnoLaboNIIGATAへの参加を通して期待していることは何ですか?

InnoLaboNIIGATAに参加して、いくつかのスタートアップのサービス導入を進めています。社会課題解決やソーシャルイノベーションを目指すにあたっては、異分野の方たちとの異種結合が出発点になると思いますので、本学とスタートアップとの接点を作っていきたいと考えています。

ソーシャルイノベーションセンターが発展した際には、InnoLaboNIIGATAとのコラボ企画や学生のピッチなどもぜひやらせていただきたいなと思っています。

―今後、スタートアップと一緒に特に注力して取り組んでいきたいことは何ですか?

2026年度に設置する短期大学部と高等学校の通信制課程の部分では、通信教育の教育効果を高めたり、オンライン授業の持つ課題を解決する技術の開発に取り組んでいきたいです。例えば、通信制課程でコミュニケーション能力が育つのかという保護者の方の不安感や教員の負担の解消などですね。

もう一つは社会課題解決という分野で、日本全体の大きな問題である少子高齢化とそれに起因して起こるさまざまな難しい課題をスタートアップのリソースと本学が持っている専門知識を掛け合わせて解決していけるといいなと思っています。介護分野の人材不足や保育の質の低下などを、新しい発想や技術で一緒に解決できると嬉しいです。

―スタートアップに提供できるアセットにはどんなものがありますか?

看護、福祉、心理、子ども系を中心とした分野について深く掘り下げている研究者がおりますので、それぞれとお繋ぎすることが可能です。ソーシャルイノベーションセンターが設立されたら、研究者とのマッチングもより行いやすくなります。

学生・生徒に関しては、企業各社で行なっているプロジェクトへの参加・連携などが可能です。学生の自由な発想が皆さまにとって何かしらのヒントにつながると本学としてもありがたく思います。

大学の施設もご活用いただけます。講義室やオープンスペース、図書館など、条件が合えばイベント等でのご利用や貸し出しも可能です。

―大場さん、小林さんが思い描く「新潟の未来」について教えてください。

(小林さん)
理事長の篠田は「新潟は社会課題の先進地だ」と言っています。大きなものとしては人口減少・流出や少子高齢化があると思います。そういった事実を逆に「社会課題”解決”の先進地になり得る」とポジティブに捉えて、社会課題解決の実践の場になっていけるといいのかなと考えています。

そのためには、本質的な課題の発見が必要で、県内だけではなく日本全国や海外の方からも協力いただけるとありがたいなと思っています。

(大場さん)
新潟は日本が江戸時代末期に開国した時の港の一つだったり、保育所が日本で最初にできたり、明治初期には女性がすごく活躍していたりと、もともと先進的で開かれた地域だったのだと思います。海外ともつながりやすい場所にありますよね。

社会課題の先進地として、新潟から解決策がたくさん出てくる。その社会課題解決の手法、結果を新潟発として発信していく。そのことが、新潟の各地域の個性をより明確にすることの一助となり、より多くの人が集まってくるようになる。いろいろな活動の相乗効果で新潟のブランド力が高まっていくといいなと思います。

―最後に、スタートアップへのメッセージをお願いします。

看護、福祉、心理、子ども発達といった分野は一見コラボしにくいという風に思われるかもしれませんが、日本が社会課題として抱えている分野ばかりです。一緒に掛け合わせることによって、スタートアップの皆さまにとっても、新しいマーケットが開けるという可能性は十分にあると思います。「こんなことができたらいいな」ということからお話しさせていただければと思います。大学としては中小規模ですが、外に向けて積極的に開いていこうとさまざまな取り組みをスタートしていますので、ぜひご活用ください。

 

【事務局からひとこと】
「もっと地域や企業に開かれた学園にしていきたい」とスタートアップとの連携にも非常に積極的な大場さんと小林さん。100年以上の歴史と伝統を守りながら、さらに時代のニーズに応えるために変革を続ける新潟青陵学園への様々な提案を募集しています。事業連携に興味のあるスタートアップはこちらまで!

2024年9月26日取材
取材・編集 井上佳純
撮影    笹田倫子