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InnoLaboNIIGATA MAGAZINE

地域パートナー企業紹介 #13 東北電力株式会社 新潟支店

インタビュー

地域パートナー企業紹介 #13 東北電力株式会社 新潟支店

地域パートナー企業紹介 #13 東北電力株式会社 新潟支店

【会社概要】
東北電力株式会社 新潟支店
設立:1951年5月1日
〒980-8550 宮城県仙台市⻘葉区本町一丁目7番1号(本社)
〒951-8633 新潟県新潟市中央区上大川前通五番町84番地(新潟支店)
従業員数:4,763名(2024年3月末時点)
売上高:22,539億円(2024年3月末時点)
HP:https://www.tohoku-epco.co.jp/

主な事業
電気事業

【今回インタビューに答えてくれたのは・・・】
横田和宏さん(写真右)
東北電力株式会社 新潟支店 支店部⻑ 兼 新潟県央営業所⻑
本店での法人営業では、グローバル企業との電気料金の交渉や電気以外での課題解決に向けたソリューション営業を行うアカウントマネージャーを担当。現在は、地域のオピニオン層(自治体関係者、議員、経済団体関係者等)との対話・意見交換や、スタートアップとの連携に関する業務を行っている。

古澤裕也さん(写真左)
東北電力株式会社 新潟支店 地域共創本部(総務広報)主任
入社以来、営業所(電気料金問い合わせ対応等)、支店(オール電化提案、イベント企画・ 実施等)、本店(営業戦略の検討等)等で多岐にわたる業務に携わる。現在は、自社の持続的な発展に向けた活動、具体的にはカーボンニュートラル、再生可能エネルギー、そして地元産業界やスタートアップとの連携に関する業務を担当。

(以下、インタビュー形式で掲載)


―御社の事業内容について教えてください。

当社はエネルギー事業者として、新潟県及び東北 6 県を中心に電気をはじめとしたエネルギーをお届けする事業を進めてまいりました。一方で、新潟・東北は全国より早いペースでの人口減少など、日本が抱える多くの課題が先行して顕在化しています。今後さらに電気事業も大きな影響を受けていくものと考えています。

地域の一員として、エネルギー分野の専門企業として、また地域の隅々まで電気をお届けしている特性を生かし、これまでに取り組んだことのない地域課題の解決に向け、当社が培ってきたリソースを提供するとともに、パートナーの皆様より様々な知見・ノウハウのご支援をいただきたいと考えております。

―直近で一番新しい取り組みについて教えてください。

①米焼酎の製造および販売業者である合同会社ねっか(福島県南会津郡 只見町)と連携し、 地域の魅力ある商品を開発することを目的に「第二沼沢発電所貯蔵焼酎」の企画・販売を実施しました。その他には、②地域の森林資源を活用した林業および木質バイオマス発電に取り組み、地域における資源循環システムの構築を目的として新会社を設立した事例(秋田県)や、③寒冷地でのEVバス導入拡大に向けた共同実証実験を開始した事例(宮城県)などがあります。

新潟支店では新潟市において、④グループ企業の東北電力フロンティアが IoT技術を活用した登下校子ども見守り事業の社会実証を実施しています。

【参考 URL】
https://www.tohoku-epco.co.jp/news/normal/1242640_2558.html
https://www.tohoku-epco.co.jp/news/normal/1241539_2558.html
https://www.tohoku-epco.co.jp/news/normal/1240290_2558.html
https://www.tohoku-frontier.co.jp/news/430/

―すでにさまざまなスタートアップや事業会社、自治体と事業に取り組まれているんですね!今回、InnoLaboNIIGATA への参加を通して期待していることは何ですか?

スタートアップはもちろんですが、地域パートナー企業の方々とのコミュニケーションを通じて、既存事業の枠にとらわれない、当社にはない顧客層・顧客へのアプローチ手法や顕在化していない地域ニーズ等が把握できることを期待しています。

―新しい事業はなかなか収益化が難しいものもあると思いますが、その点に関してはどのようなお考えをお持ちですか?

「明確にこれをやりたい」というゴールが見えているものについては、採算ベースに乗るように考えます。採算ベースに乗らないものは、最初は利益が出なくてもやるということであればそこは投資として考えるなど、利益が出ないからやらないということでは必ずしもありません。両方のバランスを考えながら取り組んでいます。

―今後、スタートアップと一緒に特に注力して取り組んでいきたいことは何ですか?

顕在化していない地域の課題を理解・検討し、スタートアップと当社のサービス等を組み合わせて、収益性を求めつつ地域の課題解決に資する事業に取り組んでいきたいと考えています。当社の事業領域は電気・エネルギーを中心に非常に多岐にわたっていることから、まずはカーボンニュートラルや DX について、パートナーとともに取り組む連携テーマを見つけ出すことを目指しています

そのうえで、当社の取り組みが遅れている、地域ニーズに基づく起業・創業について、社員が知見・ノウハウを取得できるよう、人財育成を支援いただけるパートナーとの連携を期待しています。

【参考 URL】
https://www.tohoku-epco.co.jp/news/normal/1241491_2558.html

―カーボンニュートラルと電力供給について詳しく教えてください。

世界的に見て、会社単体だけではなくサプライチェーンを含めて脱炭素化していかなければならない流れになっています。単に再生可能エネルギーの電気を買えばいいということではなく、新しい発電所から環境価値を手に入れなさいということをサプライチェーンに求める会社もあります。そういったニーズに対してどう答えていくのかは企業や自治体にとっての課題でもあります。

再生可能エネルギーにシフトするのが世界的なトレンドである一方で、安定的に電力を供給するには火力発電も必要です。アンモニアや水素といった二酸化炭素の排出を抑える発電方法を用いながら、カーボンニュートラルに取り組んでいくことも大事だと考えています。

―スタートアップに提供できるアセットにはどんなものがありますか?

一番大きいのは新潟県と東北エリアで70年以上の事業活動を通して得た「地域に根差した接点、ネットワーク」です。SNSによる情報発信、自社コンテンツ「よりそう e ねっと」および「おで Cafe」メルマガ会員への情報発信、自社主催イベントへの出店や大型イベントへの共同出展など、地域のお客さまへの接点ツールを提供することが可能です。

新規ビジネスに向けた当社の遊休施設等の利用機会についても、提供できると考えています。 また、関連会社も含めた当社内での情報共有も積極的に行なっています。「こういう会社があるから、△△でそのサービス使えませんか」といった展開もできますね。

―横田さん、古澤さんが思い描く「新潟の未来」について教えてください。

(横田さん)
私は観光が主要産業である会津で育ちました。海と山と離島(佐渡)があり、観光資源(米、酒、魚など)が豊富な新潟にはもっと観光客が来てもいいだろうなと思っています。観光客が来ればそのうちここで住みたいという人や、働きたいという人が増えるきっかけにもなります。観光して地元に戻った人が「新潟よかったよ」と言ってくれれば魅力はどんどん広まっていくので、ポテンシャルを発揮できる未来になればいいなと思います。

(古澤さん)
本州日本海側で唯一の政令指定都市である新潟市は、江戸時代に開港した五港の一つでもあります。港町という特性と恵まれた農林水産資源、食文化、伝統文化、他の県にはない魅力的な独自のコンテンツがあって、横浜や神戸にも引けを取らないと思っています。

若い方にどんどん来てもらえるように、点在した魅力ある各地を結ぶような交通機関が発展していって、さらに県内外へ新潟の魅力を発信し、新潟県だけでも成り立つような持続可能な地域として発展していってほしいですね。

―最後に、スタートアップへのメッセージをお願いします。

(横田さん)
当社単独ではできないことのピースを埋めてもらえるような企業に出会いたいなという気持ちがあります。それに加えて、自分自身の成⻑にもつながるようなお付き合いをさせてもらいたいと思っています。

(古澤さん)
スタートアップの方々とのコミュニケーションが大事だと思っていますので、コミュニケーションを積極的に取り、自分自身も新たな気づきや知見を得ながら価値を創造していければと思っています。

 

【事務局からひとこと】
「地域に根ざしてきたからこそ、地域を活性化させるための事業に積極的に取り組んでいきたい」と語る横田さんと古澤さん。私たちの生活に欠かせないエネルギー事業を基盤に、新しい価値創造にも取り組む東北電力新潟支店への様々な提案を募集しています。事業連携に興味のあるスタートアップはこちらまで!

2024年8月26日取材
取材・編集 井上佳純
撮影    笹田倫子