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InnoLaboNIIGATA MAGAZINE

地域パートナー企業紹介 #12 日本精機株式会社

インタビュー

地域パートナー企業紹介 #12 日本精機株式会社

地域パートナー企業紹介 #12 日本精機株式会社

【会社概要】
日本精機株式会社
設立:1946年12月24日
本社:〒940-8580新潟県長岡市東蔵王2丁目2-34
従業員数:(連結)13,291名 (単独) 1,606名(2024年3月31日現在)
売上高:(連結) 312,355百万円(単独) 135,176百万円(2024年3月期)
株式:東京証券取引所スタンダード市場に上場
HP:https://www.nippon-seiki.co.jp/

主な事業
四輪車用・二輪車用・汎用計器類/OA・情報機器操作パネル/
空調・住設機器コントローラー/高密度実装基板EMS等の製造、販売、他

最近のトピックス
InnoLaboNIIGATA -Side S-(事務局伴走型の共創プログラム)に参加し、異業種のスタートアップとの連携を進めている。
https://innolabo-niigata.com/magazine/info/5801/
※共創パートナーの公開募集は9/24(火)まで

【今回インタビューに答えてくれたのは・・・】
恩田貴さん
日本精機株式会社 HUDビジネス本部 HUD事業企画部 HUD事業企画
入社後、バイクのメータ設計に10年間携わり、中国・上海へ赴任。現地の設計業務の効率向上や改善に取り組む。帰国後、ヘッドアップディスプレイの設計からビジネスに関する戦略を構築している。

(以下、インタビュー形式で掲載)


―御社の事業内容について教えてください。

当社は、国内外の自動車および二輪車メーカー向けに、主にメータやヘッドアップディスプレイ(以下、HUD)などの表示装置の設計、製造を行う企業です。 長岡市に拠点を置き、今年で80期になります。

―直近で一番新しい取り組みについて教えてください。

当社はこれまでメータ、HUD、空調機用のリモコンなどの製品をB to Bのビジネスとして完成メーカーへ提供する形をとってきましたが、私たちの持つアセットを組み合わせて、B to Cのビジネスとして一般のお客様に向けての新事業に取り組み始めています。当社の持つ技術をよりオリジナルで活用し、これからも企業として持続的な成長をしていきたいと思っています。

―御社のHUDは世界トップシェアということですが、その要因や一番の強みは何ですか?

設計、開発、製造、販売まで一貫して社内で行っていますので高い水準での品質管理が出来る点や、高精度な表示品位を実現する光学設計技術、その高精度を毎月数万台も作り続ける事が出来る製造技術などが各メーカーに認められている理由ではないかと思います。

―いままでスタートアップと連携したことはありますか?今回、InnoLaboNIIGATAへの参加を通して期待していることは何ですか?

車載部品の領域の中での連携事例はあります。完成車メーカーからの高度な要求事項などを、達成・実現するための手段という形での「技術追求型」の連携でした。

今回新たにチャレンジしたいのは、異業種との連携ということになりますので、どちらかというと各々の持つポテンシャルを広げていくような「ポテンシャル拡張型」の連携です。なかなか勝手がわからない、常識が異なるというところの不安もありますが、オープンイノベーションに対する期待というのが社内で高まってきていますので、新しい気付きから成長へ繋げていければと思います。

今までの固まった概念やマインドセットを、スタートアップとの新しい取り組みの中で意識的にアップデートしていくようなチャレンジをしていきたいと考えています。

―今後、スタートアップと一緒に特に注力して取り組んでいきたいことは何ですか?

まずは当社が培ってきた「みえないものを、わかりやすく みえるようにする」コンセプトを、モビリティ分野以外にも広げて新しい価値と感動をつくっていきたい、そしてそれが社会に貢献できるような連携になればいいなと考えています。

当社にとっては新しい試みというところで手探りな部分があり、壁にぶつかるときもあるかと思いますが、そこから学ぶことも多々あると思いますので、連携を通して社内の中でもどんどんと新しいことに挑戦する環境にしていければと思います。

―スタートアップに提供できるアセットにはどんなものがありますか?

これまで世界各地の自動車メーカーから採用されてきた実績がありますので、製品に対する環境性能や品質・精度、製造技術などの考え方をスタートアップの皆様に提供できるのではないかと考えています。例えば、コストダウンや軽量化といった今設計しているもののブラッシュアップをする形もあれば、スマートフォンと連携させてこんなコンテンツを表示したいといった新しいニーズを具現化する形もあります。

「アイディアはあるけれど、具現化する環境や技術がない」という場合、そのアイディアを形にしたときに実際にどのくらいの期間で生産できるのか、なども一緒に検討していけると思います。

―恩田さんが思い描く「新潟の未来」について教えてください。

当社が作っているHUDは運転を支える表示機器として日本はもちろん、世界のメーカーから認められ、自動車を使用する皆様の安全に寄与していると考えています。この技術を自動車というモビリティの枠から生活の枠へと広げて、毎日の生活をより安全に、そしてより快適に、地域の皆様が豊かな未来を描けるような安心・感動の1ピースを技術で提供したいと考えています。

―最後に、スタートアップへのメッセージをお願いします。

HUDは海外での認知度、普及率というのは高いですが、日本だとまだまだ低いのが現状です。スタートアップと当社の強みを引き出していき、このHUDという技術をより身近に感じてもらい、生活をより良くすることを目指しています。最終的には、多くの皆様に使っていただけるビジネスプランが作れるといいなと思っております。

実際に、自分が手掛けたものが世に出てそれを見ること、その製品を使ってよかったと言ってくださるユーザーさんの声を耳にすることがやりがいにつながっています。単なるものづくりという観点で捉えるだけではなくて、最終的に製品を使用する「ユーザー目線でのものづくり」というのをスタートアップの皆様と一緒にやっていきたいですね

 

【事務局からひとこと】
「エンジンはいいものを積んでいるので、あとはアクセルを全開にするだけ」とスタートアップとの連携への意気込みを語ってくれた恩田さん。日本が誇るものづくりの高い技術と異業種とのコラボで新たな価値を創造する日本精機への様々な提案を募集しています。事業連携に興味のあるスタートアップはこちらまで!

2024年8月21日取材
取材・編集 井上佳純
撮影    星野静香